登喜和のお肉講座(4)
前回に引き続き今回のテーマは「和牛とは何か」で話を広げていこうと思います。具体的には和牛の牛肉とそれ以外の牛肉(国産としか表示されていない牛肉や輸入の牛肉など)は何が違うのかについて紹介していきます。
まず前回で紹介した和牛の定義について振り返りたいと思います。和牛とは、日本に古くからいた在来種を基に品種改良を長年かけて行ってきた日本固有の品種の牛のことです。現在、和牛として認定されている牛は4種類とその4種の間で交配された牛のみとなっています。
黒毛(くろげ)和牛(わぎゅう)・褐(あか)毛(げ)和牛(わぎゅう)・日本(にほん)短角(たんかく)和牛(わぎゅう)・無角(むかく)和牛(わぎゅう)
この4種類の品種の牛のみが和牛であると認められた牛たちです。つまり和牛の牛肉とそれ以外の牛肉の違いの1つは、「これは和牛です」という認定をされているか否かです(この認定は国の法律に基づき、お肉の業界団体が決めています)。要するにルール上で違いがあるという事です。しかしこれだけでは具体的に何が違うのかはよく分からないですよね(味とか品質とか)。そこでここからはお肉の味や品質等の違いをお話していきます。
※今回は和牛の中でも一番有名で、うちのお店でも取り扱っている黒毛和牛をメインに紹介させていただきます。
- 美味しさの違い
和牛のお肉と言われてパッと思いつくことと言えば、「普通のお肉よりも美味しい」が挙げられるかと思います。確かに僕自身も、「うちのお店のお肉はやっぱり美味しいな」と思うときがあります。ここからは僕の個人的な意見になりますが、和牛の美味しさの違いを述べさせてもらいます。
僕が思う一番の違いはお肉そのものに味があるか否か、という点だと思います。和牛のお肉には旨味と言えるようなものがあり、フライパンで焼いて塩コショウをかけるだけで美味しさを味わうことができます。調味料をあれこれかけたりするよりも、シンプルisベストな調理でお肉本来の美味しさを楽しむことができるのです。これを品質の良くないお肉でやると、美味しさを感じることは難しいと思います。何故ならお肉自体に味がないので、調味料の味しか感じることができないからです。美味しく食べようと思ったら、たくさん調味料を使って濃い味付けにしたりする必要があります。
お肉本来の美味しさを楽しむことができる。だから和牛のお肉は美味しい特別だと言われるのだと思います。
- 品質と価値のちがい
和牛と呼ばれるお肉の多くが品質がよい、というイメージを多くの人たちが持っていると思います。この品質が2つ目のちがいです。和牛はこの品質の改良のために農家さんや研究者の人々など、たくさんの人たちが長年研究を続けてきました。その長年の研究の成果により、日本の和牛は日本だけでなく世界中で「美味しい」と言われる特別な存在になりました。
この品質を維持するために必要な牛を育てるときの時間やコスト、工夫が和牛とただの国産牛の大きなちがいを作り出します。
まずは時間、つまり牛を育てる期間の長さです。和牛が生まれてからお肉になるまでの育てられる期間は約2年6ヶ月。和牛でない牛の場合は約2年2ヶ月になります。和牛の方が期間が長く、長く育てることで牛に脂肪がより多く蓄えられ、いわゆるサシが入ったお肉となります。育てる期間が長いということは必要になるお金もより多くなるということです。エサ代や様々な費用がほかの牛を育てるよりも多くかかる。一頭の牛を育てるのにかかるコストが大きく変わってくるのです。
そして、育てる際にかける手間や工夫も異なります。与えるエサを特別なものにしたり、より牛がリラックスして過ごせるように環境づくりにこだわったり、様々な工夫を凝らしています。
以上のように和牛は高品質を保ち、より良いお肉にするために時間をかけコストをかけ、工夫を凝らして育てられています。そのためお店で売られている和牛のお肉は、価格が高くなり価値が高いものとして扱われています。和牛のお肉の価格の高さは、農家さんたちの長年の研究や工夫、こだわりの積み重ねが現れたものだと言えると思います。
以上今回は2つの点から「和牛とは何か」を紹介させていただきました。
この記事へのコメントはありません。